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Step1 新生児・乳児の黄疸は要注意
新生児・乳児期早期には、生理的黄疸や母乳性黄疸が多数みられます。その中に潜んでいる病的な胆汁うっ滞性黄疸を見逃さないように注意することが重要です。ビタミンK欠乏性出血症で頭蓋内出血をきたしたり、胆道閉鎖症手術が遅れたりすることを防ぐ必要があるからです。このためには、黄疸の乳児を見たら必ず淡黄色便や褐色尿の有無を確認することと、直接ビリルビンを測定することが大切です。直接ビリルビンが1.5mg/L以上であれば、胆汁うっ滞性黄疸を考えて、ビタミンKの補充を行いながら肝・胆道疾患の鑑別を行います。詳細は黄疸の乳児を見たらを参照してください。【診断のポイント】
- 新生児に光線療法を行う時、乳児健診で黄疸を認めた場合には、便と尿の色調を確認し、採血して直接ビリルビンを測定する。
- 灰白色便、淡黄色便は言葉で聞くだけでなく直接自分の目で確認するか、便色調カラーカードを使って保護者と対話する。
- 最近、小児科学会で推奨された生後3か月まで毎週ビタミンKを補充する方法は、胆汁うっ滞児の頭蓋内出血を防ぐためにも有効である。
図1